三重県は、紀伊半島の東部に位置していますが、南北方向の端から端までの長さは、実は180キロメートルほどもあり、かなり細長い区割りとなっています。そのため、三重県内で注文住宅を新築しようとして土地探しをはじめる場合には、エリアによってかなり気候風土に差がでてくるということを、あらかじめ念頭に置いておかなければならないものといえます。
三重県のなかでも、北部の四日市市、桑名市、中部の津市、松阪市などといったエリアについては、伊勢湾に近い平地がひろがる場所であって、一般的なファミリー向けの住宅の分譲地も多く、気候的にも年間を通じて温和ということができるでしょう。道路や鉄道なども発達していて、ショッピングセンターなどの大規模なものも立地していますので、生活にも不便は感じさせないという魅力がありますが、概して地価のほうも高くなってしまっているというデメリットもないわけではありません。
そこで、こうしたエリアの周辺部にあたる、亀山市、鈴鹿市といったあたりの丘陵地帯や、より内陸部にはなるものの、名阪国道や新名神高速道路といった主要な道路によって、奈良市や京都市方面へのアクセス性にもめぐまれた、名張市、伊賀市といった、いわゆる上野盆地に開かれた分譲地なども、三重県のなかでは比較的地価が安く、最近人気となっているエリアといえます。ただし、鈴鹿には古代に関所があったとおり、鈴鹿山脈によって地形的に京都方面とはへだてられており、しかも冬場には積雪が多く、また、積雪をもたらした寒気がそのまま低地へと流れる、鈴鹿おろしの通り道としても知られているところです。これは上野盆地のように、内陸部でここだけが低地となっているような場所についても同様ですので、冬場の寒気対策をしっかりとしておかなければならないということになります。具体的にいえば、たとえば水道に不凍栓を導入するとか、断熱材を厚くするといった方法ということになります。
さらに、三重県の南側のほうの尾鷲市、鳥羽市、志摩市といったエリアは、ふつうの住宅の分譲地もありますが、どちらかといえばリゾート向けの土地分譲がさかんであり、これは美しい海の風景が間近に見られるというメリットとも関連しています。ただし、このあたりは日本国内でも有数の多雨地帯として知られているところでもありますので、土地の水はけ対策などについても、十分に関心を払っておくべきといえるでしょう。